学び方によって成功する、成功しないということがあるのだろうか。努力が結果に結びつく人、結びつかない人は確かにいる。同じ情報から多くのことを得る人と気付きがほとんどない人、その差は学び方にあると言ってもいい。

今回は草思社の「東大教授が教える独学勉強法」(著者:柳川範之)の中から成功するための学び方のポイントと感想を紹介するが、著者の柳川範之は高校へ行かず、通信制大学から東大教授になった体験に基づいて学び方を説いている。本当に必要な学び方とは何かを考えていきたい。
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成功するための5つの学び方1 疑問を持ち疑ってかかるクセをつける

受験勉強や資格取得の勉強は、本に書かれていることをそのまま頭に入れて覚え、過去問等から問題出題パターンを知り、解答テクニックの習得に終始しがちだ。点数を取りたいだけならそれでいいのかもしれない。だが、本格的な勉強をしようと思ったらそれだけではいけない。本に書かれていることを知るだけではなく、そこから考えることが学びになる。何でも疑ってかかるクセを持つことが学びの基本姿勢だ。

学びの欲求は疑問や反論から湧き出てくる。何でも素直に受け入れていては学びの欲求は湧いてこない。ニュースの報道や新聞に書かれていることが正しいとは限らない。本当の意味で学ぶのであれば書いてあることや聞いたことを頭に入れるだけではなく、本当に正しいのかという反論し、納得できなければ更に調べて勉強することだ。

何でも反論ばかりしていては先に進まないじゃないかと思う人もいるかもしれない。学校教育では教師が説明することにいちいち疑問を持てなんて教育はしない。人数が多い集合教育でそれをやる教師は少ない。だがこれは本当か、別の考えもあるのではないかと自分の考えを疑問として持たないと、更に学びたいという欲求や学びの深まりにはつながらない。自身の成長を望むのであれば、テレビでの報道、インターネットの情報、本で読んだ内容など、素直に受け入れるだけではなく、本当に正しいのかと疑問を持つことが大切だ。

成功するための5つの学び方2 何が分かっていないのかという視点で見る

世の中には情報があふれている。既に多くの人があらゆる分野の調査や研究をして、分からないことなんてないと思うかもしれないが、世の中は多くの問題を抱えて分からないことは無数にある。先ほどの疑問を持つということにもつながるが、自分が勉強する分野の何が分かっていないのか、何がうまくいっていないのかという視点で物事を見て、問題意識を持つことが発展的な学習へとつながる。

小さな疑問や問題意識を広げて考えることが学問的関心につながる。受け身の姿勢では疑問も問題意識も持てず、興味が湧かないから何をやっていいか分からずに成功にもつながらないだろう。身近なテーマでも何が分かっていないのかと考えることから本当の学びは始まる。

成功するための5つの学び方3 学んだ先をイメージする

勉強の難しさは興味を持続させることだ。人生を変えたいと願う人はとにかく何か始めなければと考える。具体的な目標がなくても漠然と勉強しなければという気持ちは持っているため、とにかく役に立つ知識を身に付けようとする。だが目標がないから目標実現のイメージは当然持てず、熱意も長続きせずに興味も失われていく。

学びを成功につなげるためには、何の情報を知りたいかということだけではなく、それを使って何が分かるようになり、何をしたいか、学んだ情報の先にあるものをできるだけイメージすることだ。学んだ先にある自分のイメージから何をしなければいけないか、必要な勉強は何かを逆算してやるべきことをやる。すぐに結果は出てこなくても、将来どんな人生を歩むかイメージしているだろうか。目標実現のイメージはモチベーションを維持するためにも重要だ。

成功するための5つの学び方4 分からない言葉は無視し、基本コンセプトをつかむ

途中でくじける本の読み方は、隅から隅まで理解しようと分からない言葉も全部調べようとすることだ。完璧に理解しようとすると結局は挫折して続かない。最初は目次を見て必要なところだけでも読むという方が結局は身に付く。

完璧な理解に時間や労力を費やすことよりも、その本の基本コンセプトや考え方を理解して、そこから自分なりに疑問を持ちながら考えていく事の方が大事だ。初めから完璧に読もうとせずに1回読んだだけでは内容は分からないと思っていた方がいい。2回、3回と繰り返し読むことでポイントが見えてきて納得できるようになるため、本を読む際には完璧に読もうとせずに必要なところから読む方が挫折しない。

成功するための5つの学び方5 読者の立場と著者の立場で自問自答する

疑問を持って本を読む先に必要なのは、自分の疑問に対する答えも著者の立場になって考えることだ。本の著者の立場と読者の立場で自問自答しながら読むことで、本の内容が身に付いてくる。本を読めば書かれている内容を知ることはできるが、考えなければ理解することはできない。読者の立場と著者の立場で自問自答することで理解が深まっていく。

本は著者が一方的に伝えたいことを書かれていると思われがちだが、独学で学びが深まる勉強をするのであれば、頭の中で自問自答し、考えながら徐々に学んだことを深めていくことだ。本をたくさん読んでも身に付いていない人と身に付く人の違い、同じ情報量でも考えが浅い人と深い人の違い、それは物事について疑問に持ち、頭の中で自問自答をして学びを深めているかどうかではないだろうか。

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まとめ

・成功するための5つの学び方1 疑問を持ち疑ってかかるクセをつける
・成功するための5つの学び方2 何が分かっていないのかという視点で見る
・成功するための5つの学び方3 学んだ先をイメージする
・成功するための5つの学び方4 分からない言葉は無視し、基本コンセプトをつかむ
・成功するための5つの学び方5 読者の立場と著者の立場で自問自答する