お金持ちと貧乏になる人の差は何か。生まれたときからお金持ち、または貧乏だったというのは自分の力でその環境を変えられるものではないからどうしようもない。ではお金持ちに生まれたら一生お金持ちか、または貧乏に生まれたら一生貧乏な暮らしかというとそうではない。
確かに生まれたときの環境が貧乏だと教育にお金をかけられないなど不利な点もあるが、逆境を乗り越えてお金持ちになる人もいる。逆にお金持ちに生まれても自己破産に追い込まれる人もいる。お金持ちと貧乏になる人の差は何か、講談社出版の「お金に好かれる人嫌われる人 稼ぐ貯める増やす」(著者:和仁達也)の中から、3つの視点を取り上げ、感想を踏まえて紹介していきたい。

お金持ちと貧乏になる人の差を生んでいる3つの視点
著者がコンサルタントとしてお金持ちと話していて、気付いたお金持ちと貧乏になる人の差として、以下3つの視点をあげている。
1.お金持ちはお金の流れを見える化している
2.お金持ちは10年単位で考えている
3.お金持ちはお金が残るところまで考えている
これら3つの視点は言われてみれば当たり前のことのように思えるが、実際にやれている人はどれだけいるだろうか。3つの視点を要約すると収入と支出の現状を知り、将来のことを考えて資産をいくらずつ貯める必要があるか知っているか?ということである。
著者がこの3つの視点に関して講演会で質問すると、なんと9割が答えられないという。もちろん聞き方にもよるかもしれないが、現状と将来を踏まえて生活設計をしている人は少ないのかもしれない。それがお金持ちと貧乏になる人の差になるのであれば、お金持ちに共通する3つの視点を身に付ければ、お金持ちになれるのではないか。これからお金持ちの3つの視点を紹介していきたい。
お金持ちはお金の流れを見える化している
なんとなく収入と支出の現状は理解しているつもりでも、大まかでいいから答えられるか確認すると意外に答えられない。年収、毎月の収入、手取り収入、税金、光熱費、保険料、食費、通信費、娯楽費など。家計の入ってくるお金と出ていくお金から、現状どれくらいお金が残るか把握することがお金の流れを見える化できていると言える。
孫子の兵法謀攻篇に「彼(か)を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」という言葉があるが、敵のことも味方のことも知っていれば百回戦っても負けない。敵を知らず味方を知っていれば勝ったり負けたりする。敵のことも味方のことも知らなければ戦う度に必ず負けると言われている。
企業戦略でも孫子の兵法を事例に出されることがあるが、個人がお金持ちになるかどうかも孫子の言葉から学ぶことがあると思う。ここで言われている彼(敵)とは、一つ目は入ってくるお金を妨げる何か。例えば収入はブログのアドセンス収入やオークションの出品などでも増やすことはできるが、時間が必要になる。その時間を妨げる要因が敵と考えられないだろうか。
二つ目は出ていくお金を多くさせているのは何か。例えば必要のない物を買ったり、断れないからと言って月に何度も飲み会に参加するなど、無駄な出費となる要因が敵と考えられる。収入と出費を知って家計を把握すること、お金の流れを見える化することが、戦略の基本である敵を知って己を知ることに共通して勝つために必要なことである。
お金持ちは10年単位で考えている
これは将来実現したいこととして、マイホームを建てる、独立する、世界一周するなどの夢から10年後にいくら必要か目標を決めることがまず挙げられる。目標が決まっていなければ毎月いくら貯めなければいけないかも決まらない。何となく今月はお金が余った、今月は赤字だとどうしても場当たり的になってしまう。管理がされない状態ではいつの間にかお金がなくなって1年経ってもお金が増えていないということになってしまう。
10年単位の考えは自己投資にも当てはまる。お金を使うことを単に無駄遣いと考えてはいけない。本代や資格の講座代を高いからといって無駄遣いと捉えるのではなく、10年単位の考えで自己投資につなげた分は自分の成長になり、賢い投資としてお金を活かした使い方だという感覚が必要だ。旅行や食事もビジネスのネタにならないかとアンテナを張り、仕事や収入が増える機会につなげれば支払ったお金が活きてくる。
車やマイホームを買うとき、買ったときの購入金額に目がいきがちだが、継続的にお金がかかるものは10年単位で考えなければいけない。車は車検代、自動車税、保険、維持費がかかるし、マイホームも固定資産税や維持費がかかる。支出だけではなく収入も投資による複利の効果は10年単位でみると大きな金額になる。短期的な視点だけでなく、長期的な視点で見て自己投資になるか、お金が活きるか考えていく感覚を持つことをお金持ちは心掛けている
人が多い。
お金持ちはお金が残るところまで考えている
現状を知り、目標を立てれば毎月お金をいくら貯めなければいけないか見えてくる。例えば現状はお金が全く貯まっていないことが分かったら、将来の目標を達成するために毎月2万円貯めなければお金は増えていかないと気が付く。お金を残すことを意識するとそのためには何をしなければいけないか具体的な方策を本気で考えることになる。
方策は収入を増やすか支出を減らすしかない。収入を増やすには家族で働いている給料金額が変わらないのであれば副収入の方法を考えるしかない。支出を減らすには出費が多くかかっていて削れるところはないか、娯楽にお金をかけすぎているのであれば一部我慢をする、節約の工夫で参考にできることはないかと現実に向き合うことができる。このようにお金持ちはお金が残るところまで考えている人が多い。
まとめ
・お金持ちはお金の流れを見える化している
・お金持ちは10年単位で考えている
・お金持ちはお金が残るところまで考えている
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