劇作家・小説家・詩人のオスカー・ワイルドの名言から。「若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた。今、歳をとってよくわかったのだが、まったくその通りだった」人生はお金が全てではない。お金よりも大切なものがある。確かにその通りだが、お金を持って初めて言えることである。

お金がなくても好きなことをしたり、愛があれば幸せなのかもしれない。だが、お金があればもっと幸せになれる可能性がある。今回はアスコム出版の「お金が貯まるのは、どっち!?」(著者:菅井敏之)の中から一部の内容と感想を紹介していきたい。

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天引きで貯金した方が余ったお金で貯金するより貯まる

毎月一定額を決めて貯金する人と余ったお金で貯金する人、どちらがお金が貯まるか。それは天引きで貯金する方がお金は貯まると言われている。理由は計画性があるからだ。お金はあれば使ってしまうものだ。余裕ができたら貯金をすると言って、実際に貯金をできる人は少ない。

計画的に一定額を差し引いて、残りのお金でどう支出するか管理することが大切だ。だが、天引き額を大きく設定すると、毎月の生活が苦しくなり長続きしない。折角貯めた貯金にも手を付けてしまうことになり、やる気が失せてしまい、結局はお金が貯まらなくなってしまう。

お金を貯めるコツは家族全体の手取り収入の15%~20%を貯金に回すのが妥当と言われている。手取りが20万円なら毎月3万円~4万円、手取りが30万円なら4.5万円~6万円。無理のない貯金をするためには一律の貯金額を決めるのではなく、割合で決め、手取りが増えればそれに応じて金額も多くするとお金は貯まる。手取り収入が増えても生活レベルを上げて支出を多くしてしまうと、結局はこれまでと変わらずにお金がなかなか貯まらなくなる。

全ての支出を割合で決める

貯金は余ったお金ではなく、計画的に家族全体の手取り収入の一定額を先に貯金する方がいい。これは貯金だけではなく、支出も割合で決めるように管理するお無駄遣いがなくなる。

目安としては住宅費家賃は収入の25~30%、保険料は5~7%、通信費・光熱費は7~10%、食費は10~15%、交際費は5~7%、雑費は3~5%と決めて、残りを臨時支出に充てるようにすればお金は貯まる。逆に目安の支出割合を超えている場合、調整して減らすようにしていかないとお金は貯まらない。支出割合が多い場合、自分の収入に合っていない不相応な生活をしていると意識して見直した方がいい。

お金が貯まる支出割合を参考にすると、家族全体の手取り収入20万円の場合、住宅費家賃は5万円~6万円、保険料は1万円~1.4万円、通信費・光熱費は1.4万円~2万円、食費は2万円~3万円、交際費は1万円~1.4万円、雑費は6千円~1万円となる。これら支出を合計すると、11万円~14.8万円となる。貯金が毎月3万円~4万円とすると、合計金額は14万円~18.8万円となり、この金額内で毎月お金を管理して残りを臨時支出にあてる計算になる。

家族全体の手取り収入30万円の場合、住宅費家賃は7.5万円~9万円、保険料は1.5万円~2.1万円、通信費・光熱費は2.1万円~3万円、食費は3万円~4.5万円、交際費は1.5万円~2.1万円、雑費は9千円~1.5万円となる。これら支出を合計すると、16.5万円~22.2万円となる。貯金が毎月4.5万円~6万円とすると、合計金額は20.9万円~28.2万円となり、この金額内で毎月お金を管理して残りを臨時支出にあてる計算になる。

72の法則はお金が2倍になる期間

72の法則とは、72÷金利=お金が2倍になる期間であることを表している。金利が7.2%だと72÷7.2=10となるので、お金は10年で倍になる。これは例えば100万円を金利7.2%で借りた場合、10年後には借金が200万円になるということだ。利子だけで実に100万円も取られてしまう計算になるのだ。

大事なことは金利7.2%ですらこの計算ということだ。それよりも高い金利で借金をすることが危険であることは明白だ。銀行系列でもカードローンの契約、クレジットカードのリボルビング払いは、実質年率12~18%の金利であった場合、利用することは資産形成とは程遠く、生活は一向に良くはならない。繰り返しになるが、金利7.2%ですら100万円を借りると10年には借金が倍の200万円になることを忘れていはいけない。

借金にばかり目を向けたが、72の法則は資産を運用してお金を増やすときにも同じことが言える。ただ、銀行に普通預金をしても2018年の現時点では金利は高いところで0.02%、低いところでは0.001%となる。72の法則に当てはめると、100万円を預けた場合、お金が倍になるには金利0.02%だと72÷0.02=3600年、金利0.001%だと10万年かかる計算になる。ものすごい年数でお金を借りるときの金利との違いが分かる。

アインシュタインが絶賛した金利の複利効果

ではお金を増やすにはどうしたらいいか。株は好調に上がっているときはいいが、下がるリスクもある。金利7.2%に近い資産運用としては保証付きのクラウドファンディングが6%前後とあるため、得たお金を金利の複利効果を使って増やしていくことが挙げられる。複利効果とは運用で得た収益をふたたび投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のこと。借金の場合の雪だるま式と同じこと。

複利効果については相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインの名言がある。「宇宙で一番強い力は何かって?そりゃ金利の複利効果だよ」。金利の複利効果を味方につけるか、敵に回すか、それがお金増やせるかどうかのカギになるだろう。

まとめ

・天引きで貯金した方が余ったお金で貯金するより貯まる
・全ての支出を割合で決める
・72の法則はお金が2倍になる期間
・アインシュタインが絶賛した金利の複利効果