日本人の年間の読書量の平均は12.3冊と言われている。月に1冊程度だが、そのインプット量を知ったときにどう考えるかが重要だ。他の人と同じことをしても差はつかないから、自己成長するためにより多く本を読もうと考えなければいけないと思う。アメリカアイオワ州立大学の研究ではIQを左右する要因として、遺伝の次に大きいのは読書量だと言われている。読書は情報や知識が増え、言語能力も磨かれる。
調査では読書量と年収は比例する傾向があることが分かっている。これはお金は労働の価値に見合った対価が支払われ、高い収入を得られるような人間になれば収入が増えるということだ。逆に今と同じ人間でいる限り、収入は変わらないと思った方がいい。では読書量があればいいかと言うとそうではない。読んでも本の内容が記憶に残っていなければ知識が定着していないため、自己満足で終わり役に立つことはない。今回はサンマーク出版の「読んだら忘れない読書術」(著者:樺沢紫苑)を読んで参考にしたいポイントと感想を紹介していきたい。
目次
1 1週間に3回アウトプットする
2 ドーパミンを出す読書術
3 集中力と記憶力は初めと終わりに強くなる
4 寝る前の読書は記憶に残る
5 目的地を把握するために知りたい部分を先に読む
6 まとめ
1 1週間に3回アウトプットする
2 ドーパミンを出す読書術
3 集中力と記憶力は初めと終わりに強くなる
4 寝る前の読書は記憶に残る
5 目的地を把握するために知りたい部分を先に読む
6 まとめ
1週間に3回アウトプットする
脳は重要な情報と判断すると忘れないようにできている。人間の脳には膨大な情報が流れ込み、毎日入る情報を全て記憶するとパンクする。そのため、重要な情報以外は忘れるようにできている。読んだ本の内容を忘れないようにするには、脳に重要な情報と判断させることだ。脳が重要な情報と判断する基準は、「何度も利用される情報」と「心が動いた情報」となる。
「何度も利用される情報」について、具体的な方法としては、最初のインプットから7~10日以内に3~4回アウトプットすることが挙げられる。本を読んでメモを取る、本の内容を人に話す、本の感想や気づき、名言をFacebookやTwitterで発信するなど、1週間以内にやることで復習の効果もあり記憶に残る。記憶力を強化するには本を一度読んで終わるのではなく、その後のアウトプットを心掛けたい。
ドーパミンを出す読書術
楽しかった旅行やデートの思い出、悲しい出来事や事故をしたときなど、激しい情動を伴う出来事は忘れることはない。それは喜怒哀楽によって脳内物質が分泌されるためだ。科学的に確認されている脳内物質は、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンなど。そのうち、ドーパミンを意識して分泌させる読書術がある。
それは自分の能力よりも少し難しい課題に目標を設定して取り組むことだ。ドーパミンが出ると集中力と記憶力が強化される。難易度の設定は本の内容と本を読むスピードで調整する。本の内容は読み始めてから変えることはできないが、15分で一章を読み終えようなど。いつまでにどこまで読むかタイムプレッシャーをかけることで、難易度を調整することができる。程良い緊張感がドーパミンの分泌に影響し、記憶力と学びを上げることができるのだろう。
集中力と記憶力は初めと終わりに強くなる
何か作業をするとき集中力と記憶力は初めと終わりに強くなり、初頭努力と終末努力と呼ばれる。15分で本を読むと初頭努力5分と終末努力5分の合計10分が記憶力の高い状態となる。15分を4回繰り返すと40分が初頭努力と終末努力の記憶力が高い状態となる。一方で60分連続で本を読むと初頭努力5分、終末努力5分で合計10分が記憶力の高い状態となる。
長く本を読んで集中力がとぎれるよりも、15分程度のスキマ時間の繰り返しの方が記憶に残る読書ができる。極めて高い集中力が維持できる時間は15分となる。非常に高い集中力を要する同時通訳者の集中力の持続は15分が限界と言われている。普通の集中力が維持できる限界は45分。45分に少し休憩を挟めば90分の集中も可能にはなる。サッカーでアディショナルタイムに点が入りやすいのは集中力が限界を迎えているからだ。最も集中力が高い状態を維持できる15分を時間単位のブロックとし、初頭努力5分と終末努力5分をうまく活かして記憶力を高めるべきだ。
寝る前の読書は記憶に残る
寝る前に読書すると記憶力を高め、睡眠にも入りやすくする。寝ている間はインプット情報がないため、頭の中の整理が進む。睡眠による頭の整理により、朝に目が覚めたときに問題の解決方法を思いつくことがある。起きたとき浮かぶ発想や整理された考えを忘れないうちにメモを取れるよう、枕元にノートとペンを置いている人もいる。
読書はリラックス効果も得られて睡眠に入りやすくする。寝る前の時間をどう過ごすかで睡眠の質にも関わるし、記憶の定着も大きく変わることになる。寝る前に読書で過ごせるように、本を準備しよう。
目的地を把握するために知りたい部分を先に読む
本は最初から一字一句読む必要はない。学びや気づきを得る最適な読み方は、記憶に残りやすい初頭努力の5分に自分の知的好奇心を満たすことだ。まず本をパラパラと読んで全体のアウトラインをつかみ、目的地をだいたい把握してその本から何を知りたいか、学びたいかを決めて知りたい部分は先に読んだ方がいい。
本は最初から飛ばさずに読まなければいけないと思うかもしれない。小説なら物語の結論から知ることは面白さが半減するかもしれないが、知識を得ようと目的を持った読書の場合、知的好奇心が高く記憶に残りやすい最初に必要な情報を得る方がいい。アウトラインと重要なことを頭に入れて本を読むと、論旨が見えて理解度が増すという効果もある。その結果、読む速さも圧倒的に変わる。記憶に残る読書はどうすべきか考えながら本を読むことが大事だ。
まとめ
・1週間に3回アウトプットする
・ドーパミンを出す読書術
・集中力と記憶力は初めと終わりに強くなる
・寝る前の読書は記憶に残る
・目的地を把握するために知りたい部分を先に読む
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