お金が増える人、お金が消える人の思考パターンには特徴がある。お金が増える人は、消費者としての視点だけでなく、供給者の視点からも物事を見ることができ、価値と価格を計測して合理性を追求した判断をするという傾向を持つ。一方、お金が消える人は、お金を使うことの目的や意味を考えないで、なんとなくという惰性で行動し、お金が消えていく傾向を持つ。
今回は、このお金が増える人とお金が消える人の思考パターンを考えるきっかけとなる本として、学研パブリッシング発行の「お金がどんどん増える人お金がたちまち消える」(著者:午堂登紀雄)の中から重要と感じたポイントを紹介していきたい。
目次
1 お金が増える人は、結果と同じくらいプロセスを重視する
2 お金が増える人は、「そういうものだ」に納得しない
3 お金が増える人は、なんでもすぐに信用しない
4 お金が増える人は、感情で目的を忘れない冷静さを持つ
5 お金が増える人は、大衆を観察している
6 まとめ
1 お金が増える人は、結果と同じくらいプロセスを重視する
2 お金が増える人は、「そういうものだ」に納得しない
3 お金が増える人は、なんでもすぐに信用しない
4 お金が増える人は、感情で目的を忘れない冷静さを持つ
5 お金が増える人は、大衆を観察している
6 まとめ
お金が増える人は、結果と同じくらいプロセスを重視する
「お金が消える人はダイエットできた自分を想像し、お金が増える人は途中経過の自分を想像する。」これはどういうことか。ダイエット器具を買ってもクローゼットの奥に眠るだけになってしまう人はお金が消える人。お腹がへこんでスリムになった姿を想像し、そこに至るプロセスは想像できない。結果だけを夢見るから、「楽」、「簡単」、「すぐに」という言葉に飛びつく傾向がある。そしてダイエット器具は使われなくなってしまい、お金も失ったことと同じになってしまう。
一方でお金が増える人が想像するのは、ダイエット途中の自分。どのような結果にも必ずプロセスがある。成功は昨日や今日そうなったわけではなく、現在の姿という結果をもたらした原因があり、過程がある。すぐに成果が出るものではなく、途中のプロセスは試行錯誤と努力の繰り返しという現実が想像できる。夢を見るのはいいが、プロセスが想像できると供給者が差し出した商品を安易に買わない。夢はピラミッドの頂点にあり、そこに至るまでには基盤となる石を積む自分の姿が想像でき、結果と合わせてプロセスも重視する。だから無駄にお金を失うことがない。プロセスを重視することはお金が増える人の特徴と言えそうだ。
お金が増える人は、「そういうものだ」に納得しない
「お金が消える人は長財布という結果から入るが、お金が増える人はなぜかという原因から入る。」これはどういうことか。お金持ちは長財布を使っていると言われたことがあった。このことを聞いて、お金が増えるらしいから長財布に買い替えようと思う人はお金が消える人の特徴だ。なぜならある主張や理論について、その本質を考えようとしないからだ。
冷静に考えれば長財布に替えてお金が増えるのであれば、世の中皆お金持ちになっている。でも実際は違う。「そういうものだ」と断定されたことをなんとなく納得してしまい、主張の本質を考えない人はお金が消えていく傾向がある。一方でお金が増える人は、それはどういうことか?裏付けとなる根拠は合理的か?と考える。なんとなく納得するのではなく、根拠まで突き詰め、分からなければ調べて納得して受け入れて行動する。本質を考えるこの姿勢が稼ぎ力の差になり、お金が増えていく傾向があると言えるそうだ。
お金が増える人は、なんでもすぐに信用しない
「お金が消える人はセールスコピーを信用するが、お金が増える人は科学的裏づけを信用する。」これはどういうことか。たとえばブルーベリーは目に良いとされているが、ブルーベリーに含まれるアントシアニンは視力回復に有為であるとする医学的データや臨床結果は出てこない。治験などの臨床試験も行われていないし、医学誌の論文にも再現実験などの根拠やデータもない。
サプリの広告にはキャッチコピーとして、パソコンやスマートフォンを使う方におススメなどと書かれているが、その根拠や摂取すると具体的にどんなメリットがあるのかまでの情報は何も書かれていない。企業は売ることが使命だから感情に訴えるコピーを発信する。お金が消える人は一方的な情報を信用してしまう。一方でお金が増える人は根拠を調べ、裏をとって本当かどうかの情報を見破ることができる。この姿勢がどうでもいい商品や割高な値段で買わされることを回避でき、お金が増える人の特徴であると言えそうだ。
お金が増える人は、感情で目的を忘れない冷静さを持つ
「お金が消える人はすぐにキレやすいが、お金が増える人はいつでも穏やかに振る舞う。」これはどういうことか。何かにお金を払うということは対価として何かを求めているはずだ。つまり目的がある。お金が消える人はこの目的を忘れがちになる。
たとえばレストランで恋人と食事をしているとする。料理のお皿に髪の毛が入っていたときになんだこれはと怒鳴りつける人はお金が消えていきやすい。それは本来の目的を忘れるタイプだからだ。レストランに来たのは恋人と楽しい食事の時間を共有するためという目的を考えると、怒鳴って雰囲気をぶち壊しにするようなことはせず、静かに指摘して食事を交換してもらうなどの対応をするだろう。
怒鳴る人は楽しい食事や恋人の気持ちよりも、自分の感情を爆発されることが優先される自己中心的な人と言える。感情によって思考が支配され、深く考えることができずに視野も狭くなる。感情的になりそうになったら、この場面で本当の目的は何かを考える冷静さが必要だ。感情的になって目的を見失うような人にチャンスや人脈、情報はもたらされない。目的をしっかり考えて冷静に行動する人がお金が増えていく傾向があると言えそうだ。
お金が増える人は、大衆を観察している
「お金が消える人は増税前に購入するが、お金が増える人は増税後に購入する。」これはどういうことか。平成26年4月の消費税の増税時、税率が8%にアップする直前から多くの人が高額商品を購入した。そして増税後には買い控えとなり、売り上げが落ちた。お金が増える人は増税前に慌てて買わないで増税も持って買うだろう。それはなぜか。増税後は売れ行きが下がることから値引きという販促策をとると予想するからだ。
実際に価格ドットコムによると、消費税増税時、増税直前の3月末と増税後の4月20日における家電10品目92機種の平均価格は、4月20日の方が安かった。3月末は駆け込み需要があったから店側も強気な値付けができた。しかし増税後は売れない。だから値引きするという流れになった。企業は売れ利上げを上げていかなければいけないから、当然とも言える。
商品の価格は需要と供給で決まり、買いたい人が増えれば売り手は価格を上げ、買いたい人が減れば価格を下げる。値引きがされない書籍などは駆け込み需要すべきかもしれないが、価格が変わるものについては、大衆の行動を観察してどう動けば得をするか損をするか考えなくてはいけない。今後、消費税は10%に増税されると言われているが、大衆を観察できることがお金が増えていく傾向があると言えそうだ。
まとめ
・お金が増える人は結果と同じくらいプロセスを重視する
・お金が増える人はそういうものだに納得しない
・お金が増える人は、なんでもすぐに信用しない
・お金が増える人は、感情で目的を忘れない冷静さを持つ
・お金が増える人は、大衆を観察している
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