部下のボーナスは一夜で消えた。40万円のうち20万円の使い道が分かった。残りの20万円、いったい何に使ったのだろうか。いやもうここまでくると、どう使っていようが驚かない。どうせろくな使い道じゃないのは想像できる。事情を知ったところでもうないお金を復活させることなんてできやしない。もうどうすることもできない。

自分「それで残りの20万円はどうしたんだ?」
部下「キャバクラへ行きました
自分「20万円全部使ったってことか?」
部下「はい…」

ああ、やはりそうか。予想はしていたがやはりキャバクラか。ある意味期待を裏切らない。だけど一夜で20万円?以前聞いていた話では一夜で10万円って言ってたよな。20万円の内訳を聞く必要がありそうだ。

自分「キャバクラで20万円はかからないだろう。5hいてシャンパン頼んだとしても10万円じゃないか?」
部下「それが同伴もしたんで結構かかってしまいました。」

同伴はお店へ行く前にキャバ嬢と一緒に食事に行くことだ。もちろんその後、キャバクラへ行ってキャバ嬢を指名することが前提となるデートだ。

自分「で同伴でいくらくらいかかったんだ?」
部下「高級の焼肉へ行ったので3万円くらいかかりました。」
自分「おふっ…」
部下「その後キャバクラへ行き、ラストまでいました。」
自分「それって何時間いたってこと?翌日仕事なのに?」
部下「はい。オープンからラストまでなので6hいました。」
自分「でシャンパンも開けた訳だ?」
部下「はい。おねだりされて。何本かシャンパン開けました。」
自分「何やってんだ?自分の借金状況分かってるだろ?」
部下「はい。ただ同伴も付き合ってくれたから悪いと思って。」
自分「はあ…それで20万円使ったのか」
部下「はい。もうボーナスはないです。」

こうしてボーナス手取り40万円は、居酒屋のツケに10万円、人から借りたお金の返済に10万円、キャバクラに20万円で一夜で全部なくなった。

キャバ嬢も狡猾でボーナス時期の聞き込みは欠かさなかっただからボーナスが出たタイミングで同伴に誘い、デートで気分が良くなったモテない部下をその気にさせてオープンからラストまでいさせ、シャンパンを何本か開けさす。部下は見事にキャバ嬢の企てにはまってしまったもちろんキャバ嬢がその気がないのにお金のために色恋を仕掛けようと、部下自らが同伴に誘って食事してお店にずっといてシャンパンを頼むという意志を示しているのだから、何ら法に触れることはない。部下は強制されている訳ではなく、自由意志のもと自ら支払いを決定しているのだ。

キャバ嬢の策に陥れられたと言ってもいい。だが部下よ、お前だからそのようなことになるのだ。スキがありすぎる。キャバ嬢にとってお前をはめるくらい楽勝だっただろう。部下がもっと借金と真剣に向き合っていれば防げたことだ。自分の人生に対する覚悟が全く足りないのだ。

おわり