前回、部下の発達障害と思われる行動を紹介したが、他にも思い当たることが多々ある。特徴的なのは注意したって直らず、繰り返し同じ行動を取ってしまうことだ。
話が噛み合わない
部下は会話のキャッチボールがうまくいかない。今会話している話題があったとして、会話の流れの中で話が発散することもあるが、話している途中で突然つながりのない話題を振り出す。だから会話の相手はどうして突然その話になったのか分からず戸惑う。
部下本人になぜ会話の流れを無視してその話を言い出したのか聞くと、部下自身の体験から話の中で思い出したことがあり、気になったから話をしたとのこと。つまり途中からは相手の話は聞いておらず、自身の体験を振り返って気になったことを会話の流れを無視して言い出したということだ。
話が噛み合わなくなるのは自分の世界に入り込む度合なんだろうけど、最初は人の話を聞いてはいる。だが途中からは自分の世界に入り込み、妄想して話の流れを無視して気になったことを言ってしまうことが話が噛み合わない要因のようだ。
部下に対し、会話の相手からは「なんでいまその話したの?」と問われていることを何度か聞いたことがある。部下は「えと、えと、あの…」と何かを言おうとしているが、最後は「何言っているか分からん」という言葉で締めくくられることが多い。部下に対し、自分の世界に入り込むのは誰でも多少なりともあることだからそれはいいが、せめて発言する前に周りの会話を聞いて流れを確認して、そこから発言したらどうか?とアドバイスはしたが、相変わらずの状況だ。
落ち着きがない
実はこれが一番の発達障害なのかな?と思ったこと。とにかく落ち着いてじっとしていられない。仕事中も集中せず、周りをキョロキョロ気にすることが多い。何か気になりだすと仕事に集中ができず、その気になった対象をじーっと見つめる。仕事に集中しなと注意しても数分もせずにまた落ち着きがなくなる。
仕事の話をしているときでも部下のこの特徴は表れる。話の途中でキョロキョロし出す。
この行為に人の話を聞かないで失礼な奴だと怒り出す人もいる。じっとしているのが大の苦手でこのキョロキョロは抑えられない。部下の特徴を知っていれば何度注意しても直らない、病気のようなものだからわざとやっている訳ではないのだろうと寛容な目で見ることができるのだが、いちいち会社の人全員に部下の特徴を説明する訳でもないから、部下の特徴を知らないで初めて目の当たりにすると驚く。
仕事で1時間座っていられない。見ていると1時間に4回席を立ち、トイレに行っていた。たまたまではなくほぼ毎日このような傾向だ。1時間に4回ということは20分に1回トイレへ行っている。
部下には「工場で働いている人はラインに入っているから、午前に1回、午後に休憩時間しかトイレへ行けない。もちろんお腹が痛いなど体調が悪いときに無理しろとは言わないが、さすがに1時間に4回は行き過ぎじゃないか?」と注意しているが、注意した当日は我慢するが翌日からはまた1時間に4回トイレへ行きだす。部下はなかなか手強い。
つづく
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