部下はしつこく何度も同じことを言うクセがあるのだが、キャバ嬢に対するLINEでもそのクセが表れていた。そのクセとは未読が何日か続くと心配になり、必要以上に心配してLINEを送ってしまうことだ。
部下「LINEが未読だけど何かあった?」
キャバ嬢「…」
部下「未読なんで心配している」
部下「何かあった?」
部下「おーい」
こんな感じで部下は未読に対して連続で何度もLINEを送っていた。これまでも未読のときに同じように心配LINEを送って、そのときのキャバ嬢からの返信は「心配しないでいい。未読のときは返信したくないからだと思って」と言われている。それなのに部下はキャバ嬢が未読になると心配になって何度もLINEを送ってしまう。ここまではっきり言われているのに部下は人の話を聞こうとしない。
こうしてキャバ嬢の部下に対するLINE未読は徐々に長くなっていった。最初は1日未読。続いて2日未読。3日未読とその間隔はどんどん長くなっていった。最後の方のLINEはキャバ嬢のイラつきもかなり見てとれた。
部下が「未読がかなりキツイ」とキャバ嬢に伝えると、キャバ嬢からは「未読くらいでメンタルやられないでよ」と言われたり、「大人なんだからこっちにも事情があることくらい分かってよ」と言われたりしていた。この言い方でもうかなり煙たがられていることが分かる。ここまで言われてすがりつくなんて惨め以外の何物でもない。
更に部下はお店には行かないのに花火を見に行こうとデートにキャバ嬢を誘う。キャバ嬢からは速攻で「仕事だから無理」との返事。その返事に対して部下はカチンときたのだろう。説教っぽく偉そうにこう言った。
部下「もっと相手に寄り添って欲しい」
キャバ嬢「は?予定見ても仕事だから無理って言っているでしょ?無理して予定空けろってこと?」
部下「無理はしなくていい。自分も無理して会いに行っていたからもう無理はやめる」
キャバ嬢「もう無理しなくていいよ。私も無理はしない」
このやり取りもキャバ嬢からしたら面倒だなと思っただろう。キャバクラには来ない、デートには誘う、面倒くさいことを言い出す、もうやり取りをやめる秒読み段階に入ったと言えそうだ。これで何かきっかけがあれば縁を切るくらいに思っていたのだろう。案の定、次の出来事をきっかけにキャバ嬢は部下のLINEに対して一切返事をしなくなった。
部下はお金が手に入ったと嘘をつき、キャバ嬢にLINEを送った。なぜそんな嘘をついたのか?部下は未読状態がきつくて返事をもらうために嘘をついたとのこと。だが嘘をついたところでその後がどうなるかは分かっただろう?何をやっているんだ。
部下「10万円自由に使えるお金が手に入ったよー」
キャバ嬢「今日お店来る?じゃあ飲もう!」
部下「いや、無理はしないってこの前言われたから行くか考えている」
キャバ嬢「お店来る気ないなら何でわざわざ言ってくるの?」
部下「ごめんなさい」
キャバ嬢「もういいよ。無理して来られてもこっちも迷惑だから来なくていいよ」
以上が部下とキャバ嬢との最後のやり取りLINE。それ以降、部下からは何度か連絡していたみたいだが、全て未読。未読状態が1週間以上続いている。おそらくもう返信はないだろう。最後が嘘で自身が招いたことで終わるとは情けない。
だがこれでいいんだ。どうせ借金まみれでお金がないのだからキャバ嬢とだらだらとやり取りを続けるよりも、これで見切りをつけて潔く諦めるのが最善の手だ。キャバ嬢に見たバカな夢はもう終わったのだよ、現実に戻ってがんばれ。
おわり
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