部下はもう半年ほど借金上限で維持していた。あれほど無駄遣いをせずにしないと言っていたのに、ついこの前は1週間で10万円くらい主にキャバクラで浪費していた。さすがに怒るというより呆れてしまった。もう自己破産でも何でも勝手にすればいい。
部下に対する呆れは私の態度に現れた。そりゃそうだろう。借金まみれなのだからいい加減に無駄遣いはよせとこれだけ言っても繰り返し浪費する。人の忠告なんて聞かないんだからもう何を言っても無駄だろう。部下だってうるさく言われるのも嫌だろう。
と思っていたのだが部下は泣きついてきた。
部下「お願いです。見放さないでください。」
私「見放す訳じゃないが借金を減らせ、無駄遣いをするなって何度言っても聞かないだろう。もうこれ以上無駄な時間を使いたくない。」
部下「今回見放されるという危機感で大変なことをしてしまったと思っています。」
私「だが毎回同じようなこと言っていないか?はっきり言って他人を巻き込むのはやめた方がいいよ。親に借金のことを全て話し、協力してもらって借金返済した方がいい。もはや自分の意志だけではどうにもならない。何度誘惑に負けたんだ?」
部下「親には言えません。助けてください。」
部下は必至だった。でも喉元過ぎれば熱さを忘れるということを私は知っていた。確かに必死になっているこの時点ではもう無駄遣いはしない、借金を減らそうと思っているだろうよ。でもそんな意志は何日かすれば薄れてしまい、また無駄遣いするよ。
私「我慢できなくて発作のようにキャバクラへ行ってしまうんだから助けられないよ。親に言って家から出ないようにしてもらうくらいしかないんじゃないか?」
部下「そんなこと言わないください。もう二度と裏切りません。」
私「いや…自分の借金が増えるだけなんだから裏切るとかそういうことじゃなくて。自分の人生をもっと真剣に考えろ。何度も言うが利息分で毎月数万円無駄に取られている。そんなお金もったいなくないか?」
部下「はい。もったいないです。」
私「使ったお金が将来の自分のためになるならいいよ。だけどキャバクラに使ったお金が何か役に立っているか?残ったのは借金だけ。このままじゃ変わらないよ。」
部下「最後のチャンスをください。もう二度とキャバクラには行きません。」
私「分かった。ただこれでまたキャバクラへ行くようだったらもう病気だと思うよ。中毒のようなもの。依存症。自分の力ではどうにもならないからな。」
部下「分かりました。ありがとうございます。」
つづく
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